娘は父親の夢を見る

川原の作品群でよく言われるのは、
年の差の大きいカップルが多いということ。
多くの場合、高校生のヒロインに社会人の相手役。
年の大きい恋人がお父さんの身代わり、というのも
それに関してよく言われているように思う。
川原泉にしても、遠藤淑子にしても、
理想の家族を描こうとしている、そんな気がする。
意識的にか、無意識にか。
川原の場合は、もろに父のいない家庭に育っているそうだが、
健在であっても、多くのサラリーマン家庭では
父と子が接する機会は、少ない。
そうでなくても、現実というのは、うまくいかないものなのだ。
父と娘が仲が良い場合、
娘は父に似たタイプの男性を選ぶことが多いという。
父と言うのは、娘にとって、
ただ一人の男性であり、すべての男性の象徴なのだろうと
そんなことをぼんやりと思う。
よくも悪くも。