ハッピー・ファミリー

三原ミツカズに「ハッピー・ファミリー」という作品がある。
「マザコン」の少年が父親を排除すべく
様々に画策するお話で、
ハッピー・ファミリーであり続けるための努力を
ときに逆説的にときにストレートに描いている。
愛する母の幸せのために、父の存在を許容せざるをえない。
番外編で、母の口から「ハッピー・ファミリー」というのは
努力して努力して、築くものだと語られる。
幸せはおのずとなるものでなく、
強い意志とたゆまぬ努力によって勝ち得るものなのだ、と。
遠藤淑子の作品群でもハッピー・ファミリーは
主要なテーマのひとつだ。
遠藤作品に多い設定は、血のつながらないもの同士が
家族として暮らす、というものだ。
親子として、きょうだいとして。
しかも、各々がほかの選択肢を持っている場合が多い。
「親」に扶養義務がなく、「子」に複数の保護者候補がいる。
だが、必然性の薄い家族構成を守りながら暮らしている。
ほかに逃げ場のない状況で、どう互いを守っていくかというのも
また重要なテーマだと思う。
ああ、、、「ハッピー・ファミリー」がそのケースか。