愛情は伝わらないことが多い

理屈として、理性の上で、両親の愛情を疑ったことはない。
いや、あるかもしれないが、よほど病状の悪いときなど。
しかし、父は私と直接会話をすることがなかった。
物を贈るのすら母づてであった。
育児において、私の人格形成において、父は不在だった。
ネグレクトだと私は判断している。
そして、ほとんど会話をしたことのない相手と
同居するのは居心地が悪くてかなわない。
相手はそうは思っていないようだ。
よき父であったし、娘もそう思っているはずだと信じている。
母は極めて支配的な性格で、
なにごとも自分の思い通りにならないと気が済まない人だ。
そしてややヒステリックなところがあった。
だから私が気に入らないことをすると癇癪を起したし、
私が選んだもの、好きなもの、望んだものすべて
馬鹿にし、嗤い、否定した。
こちらから見ると、たまに気まぐれに可愛がっているようにしか
見えなかった。
自分が傍から見るとどうか、など決して分かりはしないものだ。