精神科救急病棟

なかなかに、救急病棟というのは妙なところである。
通常ある程度疾患のタイプ別で病棟が分かれるが
救急病棟はみな一緒くたになっている。
措置入院の人は必ずここに来るのだが、
自殺企図よりも、暴れて警察に保護された人の方が多かった。
措置入院の願いは警察が出すもので、
どうやら恣意的なところもあるらしく、
攻撃的な性格はあるが、疾患ではない様子の人も
少なからず。
そういう人たちが、相手は「ビョーキ」なのだからと
寛容に接してくれればいいのだが、
そうでない場合もあり・・・なかなかに頭が痛い。
認知症のおばあさんも困ったものだった。
何度も同じことを聞かれるのはまあ、仕方ないのだが
他人の個人的なことを根掘り葉掘り聞きたがるのだ。
お年寄りというのは、得てしてそういうものであるが、
重度の精神疾患の患者というのは
概ねわけありなので、あまり気分がよろしくない。
精神疾患により、日常生活、社会生活に支障が生じ、
わけありとなる場合と、
問題が生じて、そのストレスが原因で疾患になる場合とあるが。
まあ、卵と鶏のような問題でもある。
ことに、子供の場合、家族とくに親が揉めると
変調を来すことが多いことは容易に想像がつくが、
それらしい子がいたのは、悲しいことだ。
何度か入院してみた感じ、統合失調と思しき人が
一番、入院という特殊な環境では問題が少ない気がする。
ぶつぶつと絶えず独り言を言っているタイプは
かなり物騒なことを言っているケースも多いが、
その手の人が他者に攻撃的になったのは、見たことがない。
(基本、他人には関与しない。声をかけて返答はあったりなかったり。)
一方、みょうにフレンドリーな人たちがいるが、
つじつまの合わないことを言ったりはするが、
基本的に他者に悪意を持つことはない。不思議なものだが。
一人、通院先で、他者に攻撃的な発言をしている患者を
見たことがあるが、それきりである。