「無暗にカタカナに平伏する癖をやめさせたい」
と夏目漱石は言ったそうだ。
日本人たる己が英語を学ぶことの意味について
考えすぎて胃に穴を開けてしまったような人物である。
そこに「日本は文明国ではない」などと言う
森鴎外との違いを見る。
書を飾っているのを見て、西洋には
そのような風習はないから、
日本は文明国ではない、と言ってしまう。
ヨーロッパは、正しい、ヨーロッパにないものは
間違っている。そういう思想。
まあ、今でも留学して、そういう思考になって
帰ってくる人は、います。
言語というものは、民族としての
アイデンティティの中核をなすものと思っています。
文化もまた、その中心にあるものです。
因習は改めねばなりませんが、
自国の言葉や文化を否定することは、悲しい。
