千利休の命日は旧暦の2月28日だそうである。
一口に旧暦というが、日本の場合、
暦が計算の難しい太陰太陽暦ということもあり、
何度となく改暦されてきたので、
旧暦の2月28日は今年の何月何日か、と
単純に考えてしまうと、とんでもない間違いをしてしまう。
現行暦法はグレゴリオ暦だが、これは1582年に
制定されたそうで、日本では明治に入って導入された。
それ以前は、天保暦という、遠山の金さんの時代に
制定された暦の計算法を使っていたが、
現在、俗に言う旧暦すなわち太陽太陰暦が
どのようにどこで決められているのかは、よく知らない。
天保暦は、wikipediaによると
「29日あるいは30日を1か月とし」とあるので、
何月が大の月で何月が小の月とは決まっていなかったのだろう。
さらに暦を季節感に合わせるために、閏月を入れるが
これも太陽の運行すなわち地球の公転に基づく
春分、秋分、夏至、冬至の日付が大きくずれないように
手動で入れるものだから、
毎年、しかるべき役所が暦を作り、
それがないと、来年の暦というものは分からない。
もっともそれは天保暦に限らず、旧暦全般に言えるだろう。
利休の命日は天正19年2月28日であり、
wikipediaによれば1591年4月21日であるらしい。
グレゴリオ暦制定以降なので、この西暦は現行暦と同じと考えて良い。
当時の日本の暦法は「宣明暦」というものらしい。
昔の日付が、現行暦での何日にあたるかというのは、
このように実にややこしいものであり、
日本での暦法が宣明暦でありヨーロッパの暦法が
ユリウス暦だった場合には、ユリウス暦に換算すべきであって、
それは現行暦のいつになるかということを言えるものではない。
日付の換算というのは、ある日時が
地球上の別の暦法地域で何月何日にあたるか、
それを言う以外に意味はないからだ。
利休忌は日付を重んじて、2月末に行われるようである。