ひっかかり

結婚したとき、うちの母がえらく反対したんですよね。
んで、ピリピリしてるもんだから、私がまいっちゃって、
ストレス性円形脱毛症にはなるし、精神状態も悪化するし。
「状況変わらなければ、次の来院で入院かなー」と
主治医に言われたくらいで。
家出しました。
んなもんだから、縁を切ると息巻いてて。
父親は、賛成するでもなく反対するでもなくだったですが、
あー、自分が家出てから、父親から
なんか言って寄こしたことってないなー、と気づいちゃって。
母が縁を切ると言ってるときに、縁を切りたくないなら
携帯でも公衆電話でもはがきでも、
一言あってしかるべきじゃないのだろうか?
それは縁が切れるなら切れていいということじゃないだろうか?

子供の甘えだというのは重々分かってはいるのですが、
父親の親らしい行動を見たいと今でも思う。
生きている限り、願い続けるのだと思います。
そのままに終わってしまったとき、
自分がどう感じるか。
今は葬式に出たくないと思ってすらいます。
子供が駄々をこねている、そういうことですが。

悪い父ではないんだろうな。
暴力を振るうわけじゃなし、外に女つくるわけじゃなし。
経済的に不自由することはなかったし。
ま、そういう時代ではあった。
バブル期、そのあともまだまだ皆忙しくて。
「亭主元気で留守がいい」、「24時間戦えますか」
そんなコピーがCMで流れてた時代。
当たり前だけど、24時間戦う男の子供は、
どうしても父親と疎遠なんだよね。
うちだけじゃなく、そういう子供はたくさんいた。
父がいるけどいない、そういう状況に
なんか寂しいもの、大げさに言えば喪失感。
きっとみんなそうなんだと思う。

あなたは、どうですか、どうでしたか。