江川太郎左衛門

ふー、第5章徳丸原、第6章韮山塾。
徳丸原には井上伝兵衛暗殺から護寺院原の仇討ちが入っている。
この辺に勝小吉が深く関わっているのが
趣向だなあと思うが、
事実そうであってもなんの不審もない。
小吉は、その辺についてなにも書き残していないが
あまり関わりがなかったのか、
それとも他聞を憚って書き残さなかったのか。
井上伝兵衛は同門であり、夢酔独言にも名前が出てきている。
後者をとりたいところである。
歴史の表舞台に出てこない人だけに、
創作において奔放に活躍させることにできる、
興味深い人といえよう。
(そもそも本人が自由奔放だしね。)

高島秋帆捕縛と老中真田幸貫
佐久間象山を巡る話が出てくる。
江川と佐久間の仲の悪いは有名ではあるが、
佐久間象山の性格がアレなだけに、
江川はずいぶんと迷惑した様子であることが
書いてある。
象山はずいぶんと江川を悪し様に言ったようだが、
江川側の資料にはほとんど象山は出てこないそうだ。
つまり、華麗にスルーされたわけで、象山の負け。
まあ、この辺は、多分に好き嫌いの問題もあるので、
象山が好きな人はまた別な見解、でいいと思う。