高野長英

岩波文庫「崋山・長英論集」の解説によると、
長英の著書、訳書はほとんど医学関連だそうで、
もともとは政治的なことには興味はなかったそうです。
1978の本ですが、まあ、それから
新しい訳書が発見されたとも思えないので、
おそらく当たっているかと。
崋山に依頼され、様々訳すうちに、
当然ですが、当時の国際情勢を知れば、ねえ。
それでフーンとしか思わないようなら
天寿を全うしてますし、歴史に名前も残りません。
長英、三英、崋山と三人寄り集まって
翻訳作業をしていたようです。
三宅友信の「崋山先生略伝補」によると、
蘭学者の二人が文章の意味を掴み損ねていると
これは、それそれこういう意味だろうと
崋山が教示したとあります。
それについては、多分に身びいきもあると思いますが、
既に学問として入っていた医学、天文学以外の翻訳は
今私たちが英文読解をするのとは違う困難があったのでしょう。
「文明開化」以降、輸入概念のための新語が
ずいぶん作られていますよね。