19世紀末ジャポニズム

シャーロック・ホームズ
日本の格闘技を習得していたという記述がある。
私が読んだ訳では柔術だったが、
原文だとバリツだそうだ。謎の格闘技だ。
なるほど、そのころ柔道がこんなにも
メジャーになるなど、思った人はいなかったのだろう。
ドイルもまたjudoなど知らなかったのだろう。
開国からまだ間もない時代。
富裕層にはオランダを通じて
日本の品物が細々と流通していただろうが
下々のものは、日本という国があることすら
知らなかったかもしれない。
数百年前のイエズス会宣教師の記録、
さらに古いマルコ・ポーロの記録、
実在するのかも怪しい、おとぎ話の国。
そんな存在だったのじゃないだろうか。
そして、パリ博を機にブームが起こる。
その集大成が"Mikado"じゃないだろうか。
人気コンビ、ギルバート・サリバンのオペレッタ
イギリス社会を風刺する上で
架空の国とするため日本の名を借りたそうだが
あまりにとんでもなくて、顎が外れる。
初演当時の舞台衣装も見てみたいが、
英語サイトを検索せねばならないので、
面倒で放置している。
youtubeで最近の上演の動画があったが、
実に珍妙なキモノだった。
19世紀末ならなおさらだろう。