十二国記という謎

小野不由美十二国記シリーズは
「黄昏の岸 暁の天」で完結したのだろうか。
その後の戴国の行方は。
シリーズは、中嶋陽子があちらの世界に流される
「月の影 影の海」に始まる。
中嶋陽子がシリーズの主人公ではあるが、
各作品は、作品世界での年代もまちまち、
主人公もそれぞれで、中嶋陽子が出てこないものも多い。
それらは世界観の補足的なストーリーともいえる。
神が12の国を作り、12の麒麟を遣わして12の王を選ぶ。
王や麒麟は神であり、寿命がない。
役人たちも仙人であり、やはり寿命がない。
王が道を誤れば、麒麟が斃れる。
麒麟が死ねば、王も死ぬ。
中嶋陽子が即位した時点で、安定した国は少ない。
王が倒れて空位になっている国が4。
王が行方不明になっている国が1。
王が健在とはいえ、即位から10年に満たない
まだまだ不安定な国も多い。
ほとんどの王は、数十年で斃れる。
王が不在になれば、天災が増え、妖魔が跋扈する。
神が選んだ王がなぜこうも簡単に斃れる。
理不尽な世界。
「天が実在するとしたら、それは必ず過ちをおかす」
陽子はそう言う。
人は人、神は神・・・いや、そうではない、
人は人、自分は自分、ということなのだろう。
自分のことは自分がなんとかするしかない。
国といえど、神といえど、自分に干渉はさせない。
「己という領土の唯一無二の君主」