においとかおり

良いにおいをかおりと言い、不快なにおいをにおいと言う。
単語として矛盾のある文章ですが、
まあ、そこからも分かるようにそれほど単純な
区分ではありません。
漢字で書くと、
においは、臭い、匂い。
かおりは、香り、薫り。
漢字では臭は不快なにおいを意味することが多いですね。
くさい、という読みもありますし。
(ところで、くさいの反対語はなんでしょう?)
源氏の宇治十帖に、匂宮と薫大将という二人が登場します。
匂宮が生まれつきなぜだかよいにおいがする、
それに対抗して薫大将は頑張ってお香を焚き染めてる。
においとかおりには、天然臭と人工臭という
言葉の意味の違いもあったのでしょうか。
万葉時代の歌では
紫に匂へる妹の憎くもあらば人妻ゆえに我こひめやも
この場合は、視覚的なイメージも含まれています。
言葉の世界は奥が深そうです。