たあへる・あなとみあ〜解剖学教室へようこそ〜

確か、ヨーロッパ初の解剖は、
レオナルド・ダ・ヴィンチだったような気がする。
wikiで調べてみると、、必ずしもそうでもないようだ。
とはいえ、その時期がヨーロッパ解剖学の黎明期には違いない。
ということで、解剖学には、
医学発展のために人体を正しく知る、
人体を正しく描くために、その構造を知る、
という二つの側面があった。
そんなわけで、プロの画家がいい挿絵をつけている。
今日でも美大では解剖学の講義があるようだ。
とはいえ実習ではなく、
図版と骨格標本を用いた学習だろう。
解剖の設備、許可に死体の調達はたいていのことではない。
死んだら解剖していいよ、とハンコ押してくれる人なんて
いくらもいないだろう。
養老猛の「解剖学教室へようこそ」では
はじめての解剖学実習で、
学部100人に対し、50体の遺体が部屋に並ぶ様に
度肝を抜かれたとあるが、
二人一組の解剖は、ずいぶん贅沢なのだろうと思う。
予算やコネの関係で、そんなに死体が入ってくる大学は
そう多くあるまい・・・
で、半年だか1年だかかけて、
まず皮を調べ、次に脂肪を取り除き、と順々に
内部まで見ていくわけだ。
骨が原(小塚原)の腑分けのように、半日で
ほい、見ました、というわけにはいかない。
で、スケッチしていくわけだが、
さぞ下手な絵だろうなあ・・・
(巧く描くことが目的ではないですしね。)
ただ、テキスト出版となると、そうは行かないので
前野良沢たちも、日本画の手法ではないこともあり、
画家探しに苦労したようです。
今のテキストに挿絵をいれている人たちは、
現物を見て描いているのでしょうか。