描き分け

マンガにおいては、キャラの描き分けは必須だと思う。
それは絵としてではなく、記号として、という意味だ。
つまり、どのキャラか分からないことがない、ということだ。
川原泉など、描き分けができていないと
絵については酷評されることが多いが、
記号的には描き分けができている。
ミカエルであれば、
ストレート髪が史緒さん、三つ編みが柚子さん、
ふわふわショートが和音さん、
ベタなし髪が殿下、ベタ髪が俊介さん、
ベタ髪にメガネが柚子さんのにーちゃん。
だから点目になっても白目になっても、
どれが誰か分かる。
もっと絵が巧い人でも、キャラの見分けがつかない作家さんもいる。
あれは、困る。
顔だけで分からせることができるか、できないか、
己の力量を見極められていないということじゃないかと、思う。
顔で分からなくても、髪形で区別させればいい。
ベタ、トーン、白。
口調で変化をつける工夫。
いっそどらえもんのように、一年中同じ服を着せるという手もある。
マンガの絵というのは、少なからず記号なのだから。