曖昧な指示

アスペルガー関連で書籍など読んでいると
社会人になってから、多くの人が
曖昧な指示に混乱しているようです。
自分にそういう経験がないので、ピンとこない。
全体の流れを把握して、自分に与えられた仕事が
その中でどういう役割を持っているか理解できれば
適切な処理というのは自明なことです。

とある人が、建築現場で職人に何をしているのか聞きました。
「レンガを積んでいる」とその職人は答えました。
別の職人に同じことを聞きました。
「壁を作っている」と二人目の職人は答えました。
「教会を建てている」と三人目の職人は答えました。

こんな話があります。
この話がなんの喩えで何がいいたかったのか、
それは忘れましたが。そういうことだと思います。
レンガを渡されて、これを積んでおけと指示された場合。
ただレンガを積むとだけの理解ならば、
縦に積むのか、横に積むのか、
壁状に積むのか、ピラミッド状に積むのか、
混乱するかもしれません。
そこに壁を作るのだなあという理解があれば
とりあえず壁状に積み上げることができます。
ただ、その壁は異様に巨大になるかもしれませんし、
敷地を越えてしまうかもしれません。
あるいは何枚も壁を並べてしまうかもしれません。
そこに、教会を建てるという理解があれば、
どこにどの高さの壁を作るべきか、判断できます。
そういうことだと思います。

混乱する指示でよく言われるものは
「てきとうにやっておけ」だそうです。
この「てきとう」というのは適切という意味だと
私は理解しています。
それは自分で考えろ、ということです。
具体的に指示を出して欲しい、と訴えるのも
悪いことではないかもしれません。
しかし、全体の流れと与えられた仕事の目的、
それを質問し、その答えを得ても
どうすべきかわからないようならば、
その職場で要求される基準を満たしていない
そういうことなのではないかと思います。
厳しいようですが。
それでもまあ、自分が必要と考えるqualityが
他の人の考えとずれることはままありますが。

個人的には曖昧な指示を出されるよりも
具体的な指示があっても、仕事の目的がわからないほうが
つらかったです。