カードトーク「不自由」

bodice-ripperという小説のジャンルがあるらしい。
bodiceというのは服の一部を指す言葉で、
http://en.wikipedia.org/wiki/Bodice
に掲載される図がそうなのだろう。
「服を引き裂く」という意味で、ま、要するにエロです。
ジェーン・オースティンの評論の新書に
この言葉が載っていたのだが、
この言葉自体は20世紀に入ってからのもののようだ。
bodiceというのが時代衣装なので、
日本に置き換えて考えると、
悪代官が娘の帯をひき解いて、「あ〜れ〜」という
そんな感じだろうか。
bodice-ripperの舞台として19世紀半ばというのは都合がよく、
一時的にコルセットも廃れ、薄着の時代だったらしい。
モスリン病」などといって、
寒かろうと、流行のモスリンで薄着で
風邪引いてハックション、という時代だった。
それがさらに下ってヴィクトリア朝になると、
女性の衣類が鎧のごとく重装備になる。
その新書で、ヴィクトリア時代を舞台にした
TVだか映画だかで、男が女を押し倒すシーンがあるのが
服を脱がせるのに、やたらに時間がかかっていたのが
どうにも間抜けで仕方なかった、という話があった。
さもありなん。