ナイチンゲール

この人の話も何回か書いてるんですが。

さて、幕末はクリミア戦争にもろにぶつかってます。
で、「風雲児たち幕末編」で

患者の周辺を清潔に保ちはげますことで
死亡率は劇的に減少する
細菌感染の知られていない時代
医者ですら気づかなかったこの事実を
どうしてナイチンゲールは確信し実行できたのか
それは永遠の謎である

と書いていますが、少し違います。
残念なことに、この国では、
ナイチンゲールの主な武器が統計学であったことを
知る人があまりに少ない。
wikipediaにすらそういう記載はありません。
適切な死亡率データを出したことこそが、
彼女の主業績なのです。
軍部でも死亡率は出していたようですが、
データの取り方がまちまちであり、恣意的であり、
不適切であったのを正しました。
統計というのは、データの取り方、計算の仕方次第で
いくらでも都合のよい結論を出すことができるのです。
(このことを悪用するメディアや政府は稀ではない。)
病棟の清潔といったような彼女の方針は
クリミア戦争以前で行って、
統計学的に実績があると判断したものというのが
おそらくは正しいのでしょう。(憶測ですが。)

強い意志と高潔な使命感を持った
実行の人であったろうことは、
疑いありません。
ただ、そこに「自愛」、「天使」という言葉を持ち込むのは、
彼女の業績及び看護学を貶めることになりかねません。

何度も入院していながら、看護と介護の区別もつかず、
看護とはなにか、よくわかっていない自分は
大変に情けないことです。
ただ、看護師とは専門知識を必要とする
医療スタッフであることだけは
忘れないでおきたいと思います。
(でも外来のトコだと事務仕事しかやってないよーに見えるよねー?)